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哀れなるものたちのオノタクのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

心が反応するものじゃなかったけど、期待値が高すぎただけで全然面白かった

この監督は前作しか見てないけど、魚眼レンズを使った広角な映像だったり、同じ魚眼でも逆に対象を絞った映像が特徴的、普通のレンズにしても独特なカットがすごい多い

色や世界観の使い分けはわかりやすかった、それと同じ効用で序盤には不思議なカメラワークやカットが多かったんだと決めつけてる

自由な女性として、との表現のようだったけど、最終的にあーゆう感じに落ち着いたのは自由意志とは?みたいな疑問を残すね

結局彼女はあそこに戻ってきたわけだけど、子供の頃に婚約した段階ではもうすでに、あの家庭での良識や価値観に縛られてそうだったし。あそこで2羽の鳩っていうセリフがあったけど、結婚の比喩だけじゃなくて飼い慣らされて帰巣本能の強い鳥、的な意味合いもあるんじゃないかと、ラストを見て思った

知的好奇心は真っ白な人間のそれのようで、色んなものを瞬時に吸収して自分の形を作っていく様が見れて、真っさらで自由な人間はいかにして成長を遂げるか的なテーマ?

関わる相手、影響を受けたり縛る相手がほとんど男性だったから、そうゆう意味合いからは逃げらんないだが、1人の人間の自立と成長と考えても良さそう、とはいえやっぱ女性っていうテーマが強いんだろうが

てかパリでダンカンは一文なしでホームレスやって結果捕まってて、ベラは売春婦として生きていく、っていうのは表現としてどうなの?

現実主義で知的好奇心が高く、尚且つ社会の一般的な良識や恥に縛られてなかったからって言われそうなんだけど、あそこのオバハンが言ってた、いずれは誰にも相手にされなくなるからっていうのは、相手にされるうちは性的に価値があるから生きていけてるんだよ、って感じで、男性の需要ありきってのを肯定してる気がするし、そうゆう働き方や職業そのものを肯定してるように見えた。彼女達にも考えや意志があって、血の通った人間だということをアピールしてたんかな。
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