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哀れなるものたちのbiyaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7
間の抜けた不協和音が終わっても頭から抜けない。プアーティングス、哀れなるものたち、どこか不完全な愛すべき人たちにぴったりじゃん。
開幕モノクロで馬場が行きかい(なぜかゴットの場所は馬の頭だけついてる自動車式?)リスボンにゴンドラがあったり、彩度高い世界だったりと時代感がよく分かんないけど、それがまたこの不安定で浮遊感のある登場人物に合ってる。
ストーリーはエマストーンが悲劇すぎるんだけど、それを最後に持ってくるんじゃなくて前半に観客に示して、そのエマストーンがどう生きていく、成長していくか、動くのかという話で最後までどうなるのか釘付けになる。
俺はもうそのミステリーとか謎よりも、人の生き方とかそっちの方が面白みを感じる風になっているんだとしみじみ。
ゴッドの胃液を外に放出する、嫌いなものを吐き出す、激烈ジャンプ、売女が帰ってきたなどのギャグ。家のウェイトレスが良い。
新しいことをどんどんやって体験することの良さ。超子供知能から、あまりにも密度の濃い体験を一気にすると果てしなく人間離れする人間が出来ちゃうんじゃないかってふと思って教育の重要さを知る。
あと、このストーリーって、地方から東京に出てきて、東京を冒険して地方に戻っていく感じにも見えた。
興味に向かって突き進む。あと最後のエマストーンの思ってある平和像、ウェイトレスだって平等で酒飲めるし、そんなラストも良かった。
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