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王国(あるいはその家について)のbiyaのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーテリングは面白い、こういう本読みをしているだけで俺たち、見る観客はストーリーをフィクションとして追えるんだと思った。合間合間に挟まれる舞台を想起させるカットも効果を生んでいるようで。朗読や演劇もまあそうかもしれないけど。ストーリーの会話も丁寧でみんな背筋伸ばして伝えているかのよう。

だけどその語り口が真新しくて面白いだけの印象。役者、特に主人公はいで立ち芝居表情に吸い込まれる魅力があるけど、他人の王国が自分と友達が昔作り上げていたものとは自分だけは異なっていると思い込みぶち壊す狂人にしか見えない。超勿体無い。
その狂人に同情とか感情移入させるのが映画の醍醐味だと思うので俺には足りなかった。
あとこの手法だとコミニュケーションはどうしても機械的、台本によって作られたものだと感じてしまうかも。自然な芝居で日常と地続きにあるフィクションが好きだから、会話を交わしているようでその背後の作り手の意識が露出されているかのようで、全員同じ人物に見えるから、退屈に感じる。うーん手法は面白いんだけど、映画として自分にはハマらなかった。恵比寿映像祭とかにあったらめちゃくちゃ面白いと感じだけど。
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