貧困層で何者でもない青年が、大衆を動かすジョーカーになるまでのストーリー。どこかの映画のレビューで、誰にでもジョーカーになる可能性はあると言っていたけど、確かにそう思わせる、絶望的に住みたくはない家の日々とバットになるピエロ職描写、主人公のどこか人もズレる笑いのツボ。さらに沸点超えたら何をしでかすか分からない人の描き方が上手い。ピエロで表情は誇張されたり、演じているから豊かだと思うのに、素の表情の目が笑っていなかったり、のっぺらぼうというか皆無さというか、そういう所。
負の煽動はブルースウェインにも繋がるのか。悪い方にとことん連鎖してしまう。
理解出来ないで止まると負の連鎖になる。理解出来ない結末があっても、伝えて歩み寄れないかを考えるのか。でもアーサーの場合は、母親も、大好きだったデニーロでさえも裏切られ、もはや信じられるものは自分の目の前で起こることだけしか無いように見えたからそれは無理か。
ラストシーン、これからのジョーカーの破茶滅茶なバットな活躍を示唆するようで、悲しくも美しいと感じてしまった。
