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哀れなるものたちのasobunのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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破茶滅茶で出鱈目な世界観を通じて、自らの欲望と知性に忠実であろうとする主人公の体を張った冒険活劇。スチームパンクの様な世界観、あり得ない実験手法、変な動物、奇怪な博士、へんてこりんな世界を飽きさせず、没入させてくれる。この世界観だからこそ主人公の行動もユーモアで緩和されたのかもしれない。
主人公の性の目覚め、欲求、好奇心の果てしなさ、ただのヤリマン映画なのかと勘違いする程、エマ・ストーンは体を張っている。
博士の様なモルモットを通じて実証していくデータに基づく世界ではなく、自らの肉体を通じてしか体感し得ない生身の世界、自由と解放。
自らの果てしない性的欲求、本能、動物的感性、野生の知性から体得した経験と知識。成長過程で目撃する人間の醜悪な部分。それでもなお、世界は良くなると信じるベラの信念。幾多の抑圧から純真さ、信念、好奇心、欲求、自由、解放を守る武器として知性はあるのだなと思う。
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