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ファースト・カウのasobunのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
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牛が可愛い。大人しくて触り心地が良さそうな感じ。無垢な瞳にやられた。
シンプルな物語と作り込まれた世界観。
劇的な展開があるわけでもなく、そこで日々生活する事、生きて行く事を淡々見せていく。単調さと長閑にうとうとしてしまう。
日々の生活の音、床を踏み締める時の軋む音、泥濘を踏む音、動物の泣き声、木々の騒めき、川の流れる音など、淡々とした生活の音へのこだわりがあって、環境音好きとしては嬉しい。もうちょい鮮明であって欲しかったかな。
物語に説明的なセリフや演出が無い所が良い。森で出会った二人の男、一匹の雌牛、クッキーで一攫千金を狙う。二人に強烈な成り上がり根性や野心があるわけじゃない、テンションの低さというか冷静さ、関係性が不思議。はっきりとした起承転結がある訳では無く、気が付いたら世界観に引き込まれている。牛に懐かれて、飼い主と気まずい空気になる場面に笑った。西部開拓時代、先住民との関係性も描かれている。各所にさり気ない演出があり、集中して観てないと取りこぼしてしまう気がする。
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