毎回、設定の過剰さがどうかしてる。狂気の世界への疾走感に振り回される。不穏さと可笑しさのバランスが凄い。以前観た「MEN 同じ顔の男たち」な世界観があって、とても好き。たまに観る夢で、目的地に辿り着く為に急いでいるのに、関係ない事のせいでなかなかたどり着けない感じに似ていなくもない。
ボーが抱えている母親との関係性。分からなくもない。母親の無償の愛の裏にある見返りや期待、被害者意識。それに応えなければという重圧、不安、繰り返される事による自信の喪失、患う神経症。卑屈になり自らの内に閉じ籠る。卑屈である事、いつも機嫌を伺いながら何もせず、怯え、従順で弱々しい事。それは、危害を加えない限りにおいて、力のある者はペットの様に愛でるが、危害を加えられた途端に暴力性を剥き出し、加害者性を突きつけてくる理不尽さ、愛の裏側にある暴力、というか、愛に見せかけている支配なのかもしれない。無償の愛の見返りと期待値の高い母親、それに怯え、弱々しいく従順であろとする息子の相互依存の様な歪な関係性。互いに被害と加害を繰りながら、そこからは逃れられないって事のなのか？悪夢。
