ニクガタナ

哀れなるものたちのニクガタナのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.6
自立して行く産まれたての女性が
通り過ぎる哀れなる男達。
面白い。けど、なんというか男ですいませんって感じになりますね。男性が女性を隷属させて搾取してきた過去は明らかな事実。なかったことにはできないと思うが、こんなに男を悪し様に描かなくても…とは思う。あんな時代もあったねと笑って話せる日が来ることを願います。さて、本作も魚眼レンズ多用、不安定な劇伴、デザイン過剰なエンドクレジットとすごくヨルゴス・ランティモス監督らしい要素に彩られ、相変わらずアートディレクションが見事。美術も衣装も素晴らしい上に、編集での画作りにもこだわりが増したドラマチックな空の描写が印象的。モノクロから始まって、ベラ生誕のエグい描写からカラーになってグエッとなる。上になり、下になり生々しい濡れ場満載で、エマ・ストーンが監督の前作以上に身体張ってオッパイがいっぱいの熱烈ジャンプ。性に目覚めるシーンからちょっと引く。とんでもへんてこな役を自分のものにして表現できていることは確かだと思うのでキチンと讃えたい。ベラと駆け落ちする遊び人の弁護士がマーク・ラファロって分かんなかった。これでアカデミー助演男優賞ノミネート?芝居の良さがちょっと分からなかったが、ベラに振り回されおかしくなっていく様は確かに好演。ベラに好意を寄せる医学生役のラミー・ユセフの佇まいが良かった。ウィレム・デフォーも外さない。
ニクガタナ

ニクガタナ