魁人

哀れなるものたちの魁人のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
すんごい映画体験だった
新しい
これがミニシアターで一部の人にではなく、世界中の人に観られていると考えると、ますます目が回りそうな感覚になる

映画が終わった後の、とても少ない音と共に、様々な装飾・調度の映像。あのとても長い時間、尻の底が不気味に揺れるほど、不快に限りなく近い、違和感と満足感に漂ってた

何だろうとても長い物語だった
そしてベラが成長していくどのシーンにも、後から思い返したら学びが見つかるであろう可能性のある描写に溢れてた
あれを親として見るのか、若者として見るのか、青年を超えた大人として見るのか、色んな気づきがありそう。
そして自分の子供には観せたくないような、けどその想い届かず観てしまって欲しいような


今日時点の感想としてメモするとすれば、身の回りの美術、美しいものたちは、あらゆる哀れなるもの、所有欲の渇きや直面することへの恐れ、失うことへの不安や不道徳との闘い、様々な屈折したでも血の通った想いと共に表現されたものなのかもしれないという、見方についての気づき。
映像は奇妙さや、好みに反するものもあったけど、美しいものに溢れていて、それを構成していたのは気持ちの悪いものだった
そのなにかこうぐちゃぐちゃした感じが、奇怪な今日を作ってるのかもしれない

そしてそういった奇怪な今日を作るほどの、はちゃめちゃな頭脳に到達したいという気概も芽生えた
西欧ってすごいなとも思った。めちゃくちゃ色んなことを考えてきたんだなこれまで
関わりたいこの気持ち悪さに。その資格があるだけの気持ち悪さには自覚がある

あ〜めちゃめちゃな体験だった〜
気持ち悪い〜けど、良い体験だ〜
なんかすごかったな〜
魁人

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