たまごやき

哀れなるものたちのたまごやきのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞候補になっていると聞いて2月に鑑賞。
エマ・ストーンがめちゃめちゃカラダを張ってるSFファンタジーコメディ(R18)。
たしかに美術はよかったです。不思議で綺麗な世界でした。私的には、ヒロインが乗る船などEテレのムジカ・ピッコリーノのかんじに似てるなと思いましたけども。あれもスチームパンクだから、似てるのは当たり前なのかな。
パフスリーブが印象的な衣装もすごくよかったです。アカデミー賞で衣装賞を受賞したときにデザイナーさんが着ていたドレスもやはりパフスリーブが印象的で素敵なドレスでした。

エマ・ストーンが大きな目をさらに見開いて演じるベラは魅力的で、カラダを張ってるシーンもあまりいやらしさは感じず楽しく観られました。基本、コメディなんで。
でも、う~ん、、アカデミー作品賞にノミネートまでされるような作品かというと、そこらへんの下ネタありラブコメ・コメディと大差ないような。
…と、あるシーンを見た瞬間、感じてしまったんですけど。

そのシーンというのは、ベラが朝食のときに“リンゴ”をアソコに入れて「なにコレ、すごい発見!」みたいになってたシーンです。
(↑一連の行為はすべてスカートの下、カメラフレームの下で行われているので映ってるわけではないですけど)

いや、リンゴはないわ。

じつは私、ヨルゴス・ランティモス監督作品は初めてで、なぜだか女性監督だと思い込んでたんですけど、このシーンを見てまあまあ混乱しました。この描写、ほんとに女性監督?なにこの女性のステレオタイプ&ファンタジー設定は…と(※男性監督です)

普遍的な無垢の女性ではなく、“ベラ”という個性を描いてるんだとしても、ちょっと納得出来ないというか、
私なんて自分に月経が来て、その“通り道”の存在を認識したくらいなのに、こないだまで幼児だったベラはまず存在を認識させるところから始めないと全く説得力がないし、経験もしてないのにいきなりリンゴですか、、
大人である身体の記憶、という描き方なのかとも考えましたけど、そうなると余計に男性の挿入至上主義に染まった描き方なので、個人的には全く共感できないです。
(女性でもいろいろな嗜好はあるので、「ベラ~めっちゃわかる!」って人もいるとは思いますけど)
もしあの描写が性の解放とかのメッセージ性を狙ってのものだったとしたら、西洋(男性)的の思考の画一性と限界がより明確に伝わってきたと言いたい。

ともあれ、ウィレム・デフォーの父性あふれる天才外科医役は最高だったので、ウィレム・デフォーお好きな方にはおすすめします!
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