KentaC

赤と白とロイヤルブルーのKentaCのレビュー・感想・評価

赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)
3.9
お互いをよく思っていないアメリカ大統領の息子アレックスとイギリス王室の王子ヘンリーが、国や立場を超えて惹かれ合い恋に落ちる物語。

まずその設定から求心力抜群だったので配信を楽しみにしていましたが、
肝心の中身も、ストーリーがテンポ良く展開しながらも、
理想と現実、愛と立場の狭間で揺れる2人の男性の葛藤をラブロマンスという形でしっかり描いてくれていました。
『君の名前で僕を呼んで』あたりのほろ苦さともまた質感が異なる、爽やかで幸せな気持ちをくれる作品だなという印象です。

特にユマ・サーマン演じる女性大統領である母とアレックスとの対話シーンが素晴らしく、だからこそヘンリーの立場の苦しさや難しさがなおさら際立つという、
2人の置かれた環境や周囲からの理解に関して対比の利いた構図もまたよかったです。

また、アレックスの演説シーンもグッとくるものになっていて、「自己決定」という本来誰にでも当たり前にあるはずの権利の大切さについて、同性愛というテーマを超えて改めて意識させてくれる、そんな作品になっていました。
KentaC

KentaC