あぁ、良い物語を心に享受した…。と思いながらスクリーンを後にした。
音楽にはとんと疎いし、川西くんはお顔だけしか知らないし、そんな情報量で観に行ったけれど、彼は確かにそこに存在していて、他人から見たら全く動いていないような1日でも、ジタバタして苦しくて、ちょっと笑えるような一瞬もあって、やっぱり世界なんてクソだと思う夜だってあって、そうやって曇りのち晴れを探してみんな生きているよなあと思わせてくれるとても素敵な演技だった。
時代にはその時の音楽映画があると思うけれど、それでいうとこの映画はちゃんと令和の音楽映画のひとつの答えなんだと思える。
桜田ひよりも自分が見た中ではトップを争うハマり役だったし、何よりも柳くんがとても良かった。みんなちゃんとその人の人生を生きていて、それが心地よく伝わったんだろうな。それはきっと根底に風間監督のそれそれの切り取り方に、静かで揺るぎない愛があるからなのかなと思ったりする。
素敵な映画でした。素敵という言葉が似合う物語。
