たらお

リアリティのたらおのネタバレレビュー・内容・結末

リアリティ(2023年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

突如自宅にFBIが尋ねてきて任意の尋問を受ける女性のお話。
実際の尋問の様子を録音したテープから文字起こしをするという設定なので淡々と進みます。
ただ合間に原稿の様子が流れたり(それも一部の文字が黒塗りになる)
人が消えるエフェクトがかかるなど退屈させない工夫がなされていましたね。
リアリティの自宅だけで話が進む、とにかく尋問されるので緊張感は終始キープされています。

鑑賞中は先が読めず、そもそもリアリティが何をしでかしたのかわからないまま尋問の様子を眺めていました。
リアリティにかけられた疑いである「情報漏洩」とは具体的にどういったものなのか? 濡れ衣なのか? リアリティの記憶違いか? もしや何かを隠しているのか? 
とにかくわからないまま少しずつ情報のピースが揃い、やがて真実へと辿り着く構成なのですが……
リアリティが犯した罪に関しては納得は出来ますが驚きはなかったです。
彼女自身も口にした通り「焼け石に水」の抵抗でしかないですしね。
正直真実が何かというよりも細かなところに意識が向いてしまい結末を迎えてもやや退屈でした。何かひとつのうねりがあってもよかったと思います。

と言うのも
・犬が男には吠える
・「猫がベッドの下に」と繰り返される(リードで繋いでいるのに?)
・カタツムリは何かのメタファー?
・奥の寝室に犬のケージしかない。何かこの部屋に隠されているのでは?
などちょっとしたことに伏線や話をひっくり返すための仕掛けが隠されていると深読みしすぎてしまいました。
①もしやリアリティは二重人格なのでは?
②家にリアリティが知らない知られざる同居人がいたのでは?
③情報漏洩はフェイクで本命は別にある? FIBは何かをあぶり出そうとしている?
など私が勝手に上記の予想をして変な期待を抱いてしまったのが間違いですね。
どこかで大きく話が展開されるかと思っていました。勝手な期待を抱いた自分に反省します。
今作で描きたいもの、伝えたい(考えさせたい)テーマに関してはしっかりと描かれていると思いますので、そこを期待して鑑賞する分には楽しめると思います。
たらお

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