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アントニオ猪木をさがしてのblacknessfallのレビュー・感想・評価

アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)
1.9
さがして…と言ってるがよ。さがす気ねーだろーコノヤロー😡

猪木のように名声と金銭への執着心の強さと魅入られずいられない格闘センスとカリスマ性を持ったアンビバレントな怪物をただのヒーロー・アスリートに仕立てた駄作と断じるしかないドキュメンタリーだ。

おれの趣味嗜好をよく理解してくれていて人間を掘り下げて分析することに長けたフォロワーさんがおれに言ってたようにまったく合わない作品だった。その方が言うから絶対にそうだと思ってたけどアマプラに落ちてたから観ちゃったよ。タイガーマスク旋風から総合格闘技ブームまではバリバリ新日本プロレス観てたからな。

なので本作のようにその頃の猪木が表から裏から手を回しそのハチャメチャなセンス(単なる思いつき)で出来させた数々のドラマチックで唖然として笑ってしまうカオスな出来事についてまったく掘り下げす、プロレスを愛し客を沸かせることに一途に邁進したヒーロー猪木という、おれのまったく知らない猪木像を見せられてガッカリだよ。猪木がそんな分かりやすく純なだけの男なら新日本は終着点が見えない緊張感に満ちた暴走機関車のような団体にはならなかったはずだ笑

しかし、それでも、そのクリーンなアスリート・ヒーローとしての仕立てが良かったら、1つの視点、作品として評価できたけど、それすら散漫で中途半端で薄いんだから最悪だよ。
挿入される猪木を胸に時代を生きた男のドラマも安くてベタだし、猪木を撮り続けた専属カメラマンの人のインタビューより神田伯山の中途半端なぷヲタ語りに時間を取ったり、挙げ句、伝説の"巌流島対決"を伯山に講談させる意味不明な演出と構成はあまりにちぐはぐ。マジでこんなんなら、その辺の市井のぷヲタの話聞いてた方がマシよ🙄
聞くべき人に聞くべきことを聞かず、掘り下げるべきところをスルーし、安易な手法で水増ししてドキュメンタリーっぽいがまったくそれではない何か見せられた疲労感しかない。

棚橋が猪木の後継的な扱いだったけど、2000年代前半以降の流れを知らないおれにはそれの是非を論じることはできない。
棚橋って言うと、二股かけてた捨てる方の女性にセックスした後、別れ話を切り出し激怒した女性に背中を深く刺され重傷を負いながら流血しながらチャリだか原チャリで自力で病院に行ったスキャンダルの印象が強い。あの時、「プロレスラーはタフだなぁ」て感心したもんだよ。
その目先の我欲に真っ直ぐで強靭なところは猪木の後継者たる資格はあると思う。

とりあえず、視線を変えたドキュメンタリーが作られることを切に願う。
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