Mariko

ヒッチコックの映画術のMarikoのレビュー・感想・評価

ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)
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まずこれはヒッチコック作品をどの程度観ているか、がかなりキモ。
私はまあまあ観てる方だとは思うけれど、イギリス時代のは『バルカン超特急』はじめ『海外特派員』『第三逃亡者』あたりは観てるとはいえ、あとは観てないかまたは大昔名画座で観た、ような気もするし観てないような気もする、レベル。連れは私よりはかなり観てるっぽいけど、「内容は忘れてるなあ」とのこと。

で、そういうイギリス時代の作品を含むある程度の作品数を観ていると、よく観た作品は追体験できたり、そうそうそうだった!と思い出したり、気づいてなかった切り口があったりでそれなりに見応えはあるのだけど、このテーマ6つに必然性を感じないというかちょっと無理やり感があるというか、なこともあってちょっと長く感じるので、4つくらいにした方がよかったのでは。
また、多くを観ている人向けにしては、踏み込みが深くないので誰をターゲットにしたのかが正直不明ではある。

「本人」スタイルのナレーションは好き嫌いはあるとは思うけれど、私はこの一人称で語るスタイルが案外嫌いじゃなかったので、これは○。
何より気になったのはオープニングの金魚に代表される、何故これが使われる?(ヒッチコックと何の関連が?)という画像。その際たるものが、たびたび出てくる謎の黄色のニット着た、ただいるだけの女性モデル。良い悪い以前に意味不明すぎて、これらが最大のマイナスポイント。

ということで、「あー久しぶりにこれ観たいな」とか「これ観たことないんだよなー」的な意味も含め一定の満足は得たけれど、ドキュメンタリー作品としての評価はかなり低め。
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