勝ったのは農民だ

インビクタス/負けざる者たちの勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

クリント・イーストウッド監督作品は好きですけど、今作は後回しにしていた作品の一つです。

おそらく日本テレビはラグビーに興味を持たせる意味で今作を放送したんでしょうね。🏉
金曜ロードショーで放送されていたのを録画して鑑賞しました。
欲を言えば、吹き替え版ではなく字幕版でモーガン・フリーマンの地声を聞きたかったのでそこは残念です。⤵️
とはいえ、放送してくれた金曜ロードショーに感謝です。🙇🏻‍♂️
来週は『僕のワンダフル・ライフ』らしいですね。あれも好きです。🐕


※今回は好きなシーンを挙げているの部分的なネタバレがあります。

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【鑑賞前の事前情報として】

公開当時、クリント・イーストウッド監督作品として大好きな『グラン・トリノ』の次の作品として気になりつつも、個人的にはラグビーにもネルソン・マンデラ大統領にも馴染みがなかったので、今までスルーしてきました。😅


でも鑑賞前にライムスター宇多丸さんの今作評をYouTubeで聞いたのがよかったです。




そこでの宇多丸さんの言葉を要約すると、

「今作はラグビーの試合をしっかりと描いた映画ではない。

ネルソン・マンデラ大統領の伝記映画でもない。

今作は【詩や歌のような娯楽・芸術は、一見生きていく上で必要のないことのように思われがちだが、実はそれこそが生きる力であり、政治的パワーになり得ること】を描いた作品だ。」


みたいなことを言っていました。

自分にとっての「映画」もそうです。🎬
仕事がしんどい時に映画の名台詞が精神的支えになることもあります。
だから「詩や歌」を「映画」に置き換えればすごく共感しやすいです。
でも、多くの人にとっての娯楽全般がそうだと思いますよ。

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【キャストについて】

モーガン・フリーマンはもちろん好きですけど、「ベテラン刑事の役」と同じくらい今作みたいな「黒人大統領の役」のイメージが強いです。
それと、刑務所の回想シーンで大好きな『ショーシャンクの空に』を少し連想しました。

マット・デイモンは個人的には作品によって当たり外れが多いんですが、とにかく多くの有名監督の作品に積極的に出演している印象です。

で、もちろん今作は当たりだと思います。💯

あと、マンデラ大統領のボディガードの人達や、名前も知らないエキストラみたいな人達もなんかいい顔に見えます。

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【ストーリーについて】

TBSのドラマ「ノーサイド・ゲーム」は、自分はほとんど見ていないんですが、見ていた両親の話を聞いていると、今作のテーマやメッセージ性に何かしらの影響受けているような気がします。
子供たちのために選手がラグビー教室を開いてますしね。


イーストウッド監督作品の会話劇は何故か面白いです。脳から何か出ます。🧠

・実力以上の力を出させるのに必要なモノは「ひらめき」

・ラグビーは、横か後ろにしかパスできない

・急ぐ事は無い、ゆっくり行こう

とか、いちいち意味深に感じる台詞もあります。




好きなシーンもいっぱいあります。

・冒頭で白人がラグビーする横で、黒人の子供達がサッカーしている、あの現実問題を分かりやすく描いたくだり


・マンデラ大統領が紙コップを投げつけられるが気づかない、と思いきや実は気づいていた

・敗戦後のビールはクソ不味い🍻

・「たった12票です。」の車内での会話

・マンデラ大統領とキャプテンのピナールが紅茶を飲みながらの対談☕️

・選手たちが、子供達にラグビーを教えに行く

・早朝ランニングからの刑務所の訪問

・マンデラ大統領がヘリコプターで来て、田中角栄よろしく、選手全員の名前を覚えて来て激励する🚁


・飛行機のパイロットの勝手な行動。なんなら自爆テロかと思いきや、実は応援だった✈️


それと話の本筋とは全く関係ありませんが、今作は日本が南アフリカに奇跡的な勝利をする2015年から20年前の1995年の話なんですが、最強のチーム: ニュージーランド代表のオールブラックスは日本に対して145対17で勝利したと言う話が出ていてビックリしました。😲

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正直、ラグビーの理論的な戦略をきっちり描いた映画ではない、精神論的な映画です。
でも精神的なパワーって絶対に馬鹿にしちゃいけないこと、その精神面のモチベーションをアゲるためにはどうしたらいいかを描いた作品と思います。🤔


やっぱり今作は自分にとっては、「ラグビー映画」というより、「マンデラ大統領の政治的映画」というより、「クリント・イーストウッドの映画」なんです。

『ハドソン川の奇跡』同様に、史実として結果は分かりきっている話なのに、最後はやっぱりホロリとさせられましたし、教訓めいた話でもあります。😢