勝ったのは農民だ

カード・カウンターの勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

カード・カウンター(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

【自分にとって初のポール・シュレイダー監督作品の鑑賞です。】

※今回もかなりネタバレします。
未見の方は読まないことをオススメします。🙇

監督・脚本:ポール・シュレーダー。

マーティン・スコセッシ監督の『タクシー・ドライバー』🚕の脚本家として有名ですけど、

監督としても一貫した作家性があって、

“主人公が

・過去に犯した罪とそれに対する禊がテーマ
・PTSDやそれに伴う不眠症に悩んでいる
・部屋の中でひとり孤独に佇んでいる
・思い立ってとある行動を起こす

みたいな映画ばっかり撮っている“

と聞いています。
ポール・シュレイダー監督作品を観るのはこれが初めてですが、確かに『タクシードライバー』を観るとその作家性は容易に想像できますし、


今作『カード・カウンター』でも、

序盤で主人公が宿泊施設に来てすぐに部屋にある絵画や電話を片付けて家具一式を全部白い布で覆う異様なくだりを見て、「なんだこいつは⁉️」🤨って一気に心を掴まれた気分です。

主人公が見る悪夢であり、
過去のトラウマであるあの刑務所の中を歩いていくくだりもびっくりしました。


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【あの「USA‼️🇺🇸」って叫んでいた奴はそんなに神経をすり減らしているとは思えませんが…。】

自分はポーカーやブラックジャックのルールをよく知らないんですが、

元阪神の井川慶選手⚾️もポーカーが好きで、

「ポーカーはギャンブルというよりスポーツだ。運以上に敵の思考を読み取る力も関わってくる。」

って話しているのを何かで見ました。

確かに今作の序盤でも、

「ポーカーで勝つ秘訣は数学的なオッズと敵を知ること」

そのためには

「辛抱強く待って、前と同じように次の手を出す。」😑

みたいなセリフがありました。

そして、主人公:ウィリアム・テル🏹(演:オスカー・アイザック)がいかにも“プロの勝負師“って感じで渋くてカッコいいんですけど、🆒

あんまり楽しそうじゃないんです。😑

しかも誰かから出資金を得るのもプレッシャーになるんでしょうね。その気持ちはわかります。🤑
あんなことを仕事にして生きていくのも楽じゃないです。


ただ、あの「USA‼️🇺🇸」って叫んでいた奴はそんなに神経をすり減らしているとは思えないのでそこは個人差でしょうね。
しかも実際には彼はウクライナ🇺🇦出身だそうですから、自国の戦争🪖よりもとにかくポーカーが好きなんでしょう。

あと、
・負けて怒って裸になって警備員さんに連れて行かれる男
・バーでシクシク😢泣いてる女性

とか、細かい部分ですけど、「そりゃカジノにはそういう人もいるよね…」って人も描かれています。😅

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【オスカー・アイザックの魅力が大きいですが、タイ・シェリダンとティファニー・ハディッシュも好きです。】

⑴前述した通り、
オスカー・アイザックは渋いですね。🆒

“部屋の中で孤独に何かに打ち込む仕事人“

って意味では彼自身も過去に出演していた『DRIVE/ドライブ』のライアン・ゴズリングを連想しましたが、

オスカー・アイザックの場合、
顔のホリが深いせいかあんまり熟睡出来てない感じがすごく似合います。🥱
今作において彼の色気による魅力は大きいです。


⑵ウィレム・デフォーはおいしいですね。
このFilmarksのキャスト欄では主演のオスカー・アイザックに次いで2番目ですけど、出演時間はかなり短いはずです。🕐
聞くところによると、ポール・シュレイダー監督とは付き合いが長いそうなので、
「ちょっと出てくれない❓」「いいよ。」みたいな気軽な感じで引き受けた仕事だと思います。


⑶そんなウィレム・デフォー演じるジョン・ゴード少佐に復讐をしようとする青年:カーク。
彼を演じたタイ・シェリダンって俳優さんは、「どこかで観たことがある顔だな…❓」と思ったら『レディ・プレイヤー・ワン』の主人公でした。

ただ、今作は、
復讐を思いとどまって更正する話なのか❓と思ったんですけど、最終的に彼は死んじゃったのが残念です。😇


⑷ラ・リンダを演じたティファニー・ハディッシュさんは(もちろん美人ですけど、)めちゃくちゃ美人すぎないのもよかったです。彼女は声もいいです。

主人公にとって
仕事上で存在としての魅力も感じつつ、💵
恋愛対象としての魅力も感じさせる、💕

いいキャスティングだと思いました。

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【ガラス越しに手と手を合わせるラストシーンがやたらと長い。】

劇中にある

「他人を許すことは自分を許すこととほぼ同じ」

ってセリフが好きです。

でも結局、主人公がジョン・ゴード少佐を殺してしまう=自分自身も許せなかった

ということを逆説的に証明してしまいました。

(単に制作費の問題かもしれませんが、あの声だけで暴力・殺害シーンを描かない演出はアリだと思います。)

でも、最後に面会室でウィリアム・テルとラ・リンダがガラス越しに手と手を合わせるラストシーンがやたらと長いんですけど、

あのラストってどこか希望があるというか、優しい余韻が残りました。🫱🫲