すおう

アデュー・フィリピーヌ 2Kレストアのすおうのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2023.9.12、シネマジャック&ベティにて鑑賞。
観ている間はけっこう退屈だったが、観終わった後に評価が爆上がりした作品。
それほどまでにラストシーンが見事だった。
手を振り続ける少女たちに見送られながら、青年は戦場に旅立つのである。
アルジェリア戦争といえば、アラン・レネの傑作『ミュリエル』が思い浮かぶ。
あの主人公は、アルジェリアでの兵役で癒されぬ心の傷を負っていた。
物語の途中で顔を出す、ミシェルの友人、退役兵デデの覇気のない様子も未来に暗い影を感じさせる。
ありがちな道中のバカ騒ぎも、ラストシーンを観た後では宝石のように輝いて感じられるから、不思議である。
人生の節目の時、帰っては来ない季節に別れを告げる瞬間の、命が弾けるかのような煌めき。
ジュリエットとリリアーヌがミシェルと会うことは、二度とないのだろう。
もう一度観たら、今度は最初からハマり切れるかもしれない、そんな映画。
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