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市子のhuaのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.0
市子とは一体誰なのか。
物語が進むにつれて謎が深まり、
中盤から真相が明らかになっていく。
2008年から2015年を行ったり来たりしながら、市子がどんなバックグラウンドで何を思い生きてきたのか、その壮絶な人生が淡々と描かれ、衝撃に胸がえぐられ、ゾッとするような描写もあり、悲しくて仕方なかった。
市子はその人生を選んだのではなく、抗えなかったからだ。

これは市子の物語であり、恋人の長谷川や母なつみ、高校のクラスメイト北の人生の物語でもある。

戸田監督が主宰する劇団の舞台の脚本を書き換えて映画化したというのが面白い。
映画の名シーンがどのように舞台で表現されていたかも興味深いところ。

日本の社会問題をも映し出し、市子はその先どうやって生きていくのが正解なのか。
市子が諦めずに、目の前の今を懸命に生き、ささやかな幸せに笑顔を向けられていることを願うしかない。

Filmarks試写会@ユーロライブ
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