ねね

市子のねねのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

予告やレビューから、市子が壮絶な人生を送ったことは想像していたが、想像以上に辛い。

無戸籍、離婚後300日問題、ヤングケアラー。たくさんの現代の問題が詰まっていた。


夏の描写が印象的。拭っても拭っても汗が滴る。暑さから逃れられなくてどうしようもない。市子の辛さを表しているようだった。

市子の、落ち着いていて、好きなものを好きと言葉にして、可愛らしさもありながらミステリアスな複雑なものを抱えていそうな感じは男性を惹きつけるんだろうなと思った。
花は水をあげないと枯れちゃうから好き。市子のいろいろが詰まっていると感じた。


団地の部屋で、市子の母の、ありがとう、お茶飲みなの優しい声が、見ていて辛かった。
終盤の水辺での母と長谷川のシーンでも思ったけど、誰が悪いということではなく、当事者たちはどうしようもない状態の中でギリギリ保たせていたんだなと思う。

市子の人生が良い人生だったかは分からないけれど、少なくとも長谷川と過ごした日々は市子にとって幸せだったと信じたい。
ねね

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