どんどん引き込まれていく展開と、謎が紐解かれていく中で市子がどういう存在でどういう環境で生きてきたかを知っていくうちに辛くなってしまいました。。。
簡単な内容は、川辺市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川義則からプロポーズを受けるが、その翌日にこつ然と姿を消してしまう。途方に暮れる長谷川の前に、市子を捜しているという刑事・後藤が現れ、彼女について信じがたい話を告げる。市子の行方を追う長谷川は、昔の友人や幼なじみ、高校時代の同級生など彼女と関わりのあった人々から話を聞くうちに、かつて市子が違う名前を名乗っていたことを知る。やがて長谷川は部屋の中で1枚の写真を発見し、その裏に書かれていた住所を訪れるが。。。というような内容でした。
去年末に公開されて凄く気になっていましたが、劇場数が少なく観ることができませんでした。早々アマプラで配信され始めたので観ることに。
ただただ普通に暮らせたらと思うと辛くて仕方がないです。最初は幸せに暮らせていても、あるきっかけで壊れてしまい1人の人生が崩れていく様が切なかったです。
そして崩れていく中でも、長谷川と出会ってから幸せな生活を送れるようになっていたものの婚姻届という分かりやすい形で再び崩れてしまうのがまた切なかったです。生まれた環境が複雑であっただけでそれが尾を引いていくのと過去の出来事共に描かれているのは秀逸だったと思います。
とにかく杉咲花さんと若葉竜也さんの演技が素晴らしすぎました。苦しい環境や壮絶な人生を送る市子を演じ切ったのは本当に素晴らしいと思います。そしてそんな市子と知らないまでも、過去の出来事と市子の正体を知っていく長谷川を演じた若葉竜也さんも素晴らしかったです。
物語としての進み方と構成がとても良かったです。市子のミスリードや、市子探しをしていたと思ったらいつの間にか市子の心情や境遇を追い求めていく変化は秀逸でした。
映画の構成、内容、役者さんの演技の上手さ、全部が詰まった素晴らしくもあり、社会性に観点を向けた映画だと思いました。素晴らしかったです！
