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フローラとマックスのあのレビュー・感想・評価

フローラとマックス(2023年製作の映画)
4.5
世界で一番好きなジョン・カーニーの新作が映画館で観られないのは悲しいけどそれならもうApple TVに加入するしかない(鑑賞後即解約

シング・ストリートでも80年代におけるアイルランドでの離婚を描いていたが、今作の主人公も離婚している
「一緒に暮らしていることにした方が心証は良いかも」というような台詞もあったように、やはりいまだに別居を良しとしない国の風土があるのだろうか
ジョン・カーニーの作品において いわゆるバッチリメンバーが揃った家族は描かれない
そう!そこが良いのよ!!!

世の中には離婚した人や家族間で何かを抱えた人間が少なからずいると思っているので、当たり前のように一家仲良し!家族が一番!と描かれているアメリカ的な映画が個人的には好きではない
今回は17歳で産んだシングルマザーが主人公で ジョン・カーニーのこういうところが信頼できる
アイルランドにおける中絶の法律はどうなってるんだ、と観た後調べてみた なるほどな
この作品を鑑賞する上で鑑賞前後問わず調べて知識として入れておくとなお理解が深まると思う
(そして日本遅れてるな〜クソやな〜と改めて思う

オンラインレッスンという設定はコロナ禍やModern Loveを挟んだからこそ作れた1本なんだろうな
今までアコースティック一辺倒でやってきた作品に対しGarage BandやMacを取り入れているのが時代も感じられ面白い(サンダンスで公開してからAppleが配給権を取ったそうで、確かにこれは取りたくなるだろう)

今作でもこれまでジョン・カーニーが描いてきたhappy-sadの精神がこれでもかというくらい、いや今まで以上に伝わってくる
コードの数ではシェイクスピアは書けない(字幕は「名作は書けない」となっていたが)
というジェフのセリフが染みる
深くは描かれないがジェフにも何かある

今までの作品ほど音楽シーンにハッとさせられるようなところがなかったのが少し残念だけど
どんな形の人生であれ、人生最高だと思える日があることは大事だし、音楽が寄り添ってくれることで彩りが添えられる日常は素晴らしい
全ての母たちへ!最高!

シングストリートの校長先生や、ジャック・レイナーなどジョン・カーニー組が出ているのも良いね

最近全然映画館に行けていないので配信でこういう良作を観られたのも嬉しい

個人的にサンダンスに出品された映画は良作が多い、というか好みのものが多い
あ