タカ

エクソシスト 信じる者のタカのレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
2.8
「天の神様の言うとおり」

個人的に面白いと思えるポイントが一つも無かった…
期待していただけにホントに残念😓
何も前作と重ね合わせて合わせての評価じゃなく、単純に単体の映画としてまったく面白いと感じられなかった
前作に思い入れがあるだけに非常に残念だ…

犬が暴れる冒頭、サブリミナル的に差し込まれる悪魔、エレン・バースティンの出演、エピローグでのサプライズ
確かに前作を踏襲して意識している部分はあるが、そこに偏っているわけでもない
ファンムービー的な真正面の続編みたいなものを期待するとそうでもない(あの人物の出演だけ心踊った!)
かといってオリジナル的な新鮮味を感じられるかといったら、そうでもない
すごく中途半端

子供が悪魔に取り憑かれて親が翻弄されていくという基本型は同じ
今回それが二人になっているのがオリジナリティといばそうなんだけども、二人である意味合いが最後までまったく理解不能だった
日常が侵食されて様変わりしていく恐怖が醍醐味であるはずなのに二家族になることで濃度が希釈してるし、登場人物が増えることで何の役割も持たない人が続出する
二人になることでショッキングシーンが増幅されるわけでもなく、前作の外連の効いたインパクトに並ぶものが一つもない
正直言って印象に残るシーンが一つも無かった

二者択一を迫る悪魔の真意もよく分からない
そもそも悪魔に目的意識を持たせる意味が分からない
何の目的も持たず、ただただ理不尽に人間を蹂躙していくのが怖いのであって目的意識を持ち出したら怖さが湧かなくなる
chooseさせるって何なのだろう?
どっちも手にかけろよ!と思う
それくらいの理不尽が恐怖だろ!
三流のゲームマスターが手がける陳腐なデスゲームでも見ているようで拒絶反応しか出なかった
観ているこっちが「Help me」だ

画面の端にゴースト的に見切れる娘たちも気に食わなかった
いや、中身は悪魔かもしれないけど容器は愛すべき子供なわけでしょ
それを恐怖対象として描写するのどうなの?
変容していくことこそが恐怖でしょ
引きの画でそういう対象にしているのが、まったくもっていただけない

エクソシズムとはなんぞや?
いつから悪魔祓いはDIYのノリで出来るようになったのだろうか?
経験値を持った熟練のスペシャリストが行うからこその説得力があったもの
非日常の手が届かないものだからこそにあるロマン
そんなものがすべてかなぐり捨てられて「力を合わせたら出来るでしょ!」の程度の低いものにまで下げられる
これに何の面白味があるのだろう

おそらくヴィクターが前作のカラス神父的ポジションで一度は信仰に対して幻滅したものの、スーパーナチュラルに対抗するためにその信仰に向き合う
というようなことが本筋なのだと思う(エピローグでもうちょっと何やかんや言ってた気もするけど、まったく心に残っていない)
そうだとしたら、もうちょっとギュッとフォーカスを絞って欲しかったと思う

個人的には圧倒的に『ヴァチカンのエクソシスト』を推したい
エンタメに振り切ってるけど、あっちの方が遥かに上手く『エクソシスト』を踏襲してる気がする
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