エイデン

オカルトのエイデンのレビュー・感想・評価

オカルト(2008年製作の映画)
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2005年8月12日
断崖から美しい海が望める観光地“妙ヶ崎”の吊り橋で、通り魔事件が発生する
犯人の松木は、恋人の谷口と観光に来ていた女性 右田と、女子高生 米原の首を切って殺害
更に恐怖で動けなくなっていた男性 江野の背中をナイフで切り裂くと、そのまま断崖から身を投げてしまう
その一部始終は豊田ら3人のOLが偶然ビデオカメラに収めており、事件は大変な話題となった
しかし未だに松木の遺体は見つからず、生死も犯行動機も不明という謎の多い事件だった
それから3年
事件に興味を持った映像ディレクターの白石晃士は、ADの栗林と共に取材を敢行する
豊田は現場にて何故か撮影をしなければならない気がして、カメラを回してすぐに事件が起きたと語り、米原の母親は娘が急に妙ヶ崎へ行きたいと言い出して事件に遭ったことや、事件後から娘が帰宅しては「あひわらま」と奇妙な言葉を呟くとあり得ないほど口を開いて笑う不気味な夢を見るようになったという
また谷口も、右田が深夜に雑誌で見たからと急遽 妙ヶ崎へ行くことになったのだと語る
更に谷口は、死んだはずの右田が最近になって目の前に現れるようになり気が楽になったと、彼女らしき人物が映った写真を証拠として白石に見せるのだった
不気味な雲行きとなってきた取材だったが、白石自身 何故か取材をしなければならないという意志に突き動かされていたのだ
そんな中 次に取材相手に選んだのは、松木によって重傷を負わされながらも一命を取り留めた江野
江野はフリーターをしており、彼もまた事件の1週間前に妙ヶ崎へ行けという声を聞き、テレビで妙ヶ崎が取り上げられていることに運命を感じて、奇跡に遭遇できる確信を得て事件に遭遇したという
彼は松木に襲われてた際、「次は君の番ね」と不気味な言葉を掛けられ、今となっては松木が何か特別な存在であり、その役目を引き継いだのではないかと考えるようになっていた
更に取材を進める白石は、その一環として江野の密着取材を始めるが、事件の真実は思わぬ方向へと転がっていく




白石晃士監督作のホラー映画

『ノロイ』と同じくモキュメンタリー作品として製作され、またも同じく本人役で監督が出演している

謎に包まれた事件を追ううちに、事件がエラい方向へと傾いていくというのは『ノロイ』でも見られた展開だけど、本作はその飛躍具合が最高
白石作品に登場する霊体ミミズに加え、異界やら神やら妖しさの極みがてんこ盛り
ラストまで行くと、もはやバカバカしいくらいの世界観が待ってるんだけど、それにクスッとでもすれば白石ワールドにようこそというわけ
白石作品の入門にもファンにもオススメできる

もうやりたい放題で風呂敷の広げ方どうなんだって感じだけど、その取り止めのなさが色んな想像を掻き立ててくれて面白い
社会世相(闇)を描いてリアリティを出しつつ、謎に憎めないオッサン達のやり取りも何かクセになる
広い心があれば何度でも楽しめるタイプの作品なので、これを機に白石作品の世界観にハマってほしい
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