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ぼくは君たちを憎まないことにしたのWNTのレビュー・感想・評価

3.8
ジャーナリストのアントワーヌは息子メルヴィルと妻エレーヌを送り出す。
しかし妻エレーヌがテロに巻き込まれてしまい、帰らぬ人となってしまう。
亡くなった妻と対面したアントワーヌは、その時の思いを綴りSNSにアップする。

憎しみを持つことでテロリストと同類になってしまう。
そんな風に息子を育てたら、息子も同じ考えを持ってしまうだろう。
憎まないこと、愛情を持って育てることは自分たちの勝利であり、テロリストの負けになる。

愛する妻を失った悲しみから立ち直ることは難しい。
SNSに投稿した思いが拡散され、英雄扱いされることで自分自身を見失いそうになるアントワーヌ。

自分がいま何をするべきか、どうするべきか分かっていても分からない彼の心の中がうまく引き出されていて辛くなる。

妻がいなくなっても、息子との日々は続いていく。
逃亡中のテロリストや忘れられない妻への思い、息子の将来や自分自身の今後のこと。
自分なりにゆっくりと受け止めて少しずつ前に進んでいく姿や、妻がいなくなっても前向きに生きるアントワーヌとメルヴィル親子を観て考えさせられる。
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