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隣人X 疑惑の彼女のawasakanaのレビュー・感想・評価

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)
4.0
惑星紛争により、難民として地球にやって来た「X」と呼ばれる生命体が世界中に溢れ、各国がその対処に苦慮していた。日本はアメリカに追随する形で、彼らの受け入れを決める。しかしそれは社会に不安や動揺を引き起こし、人間をトレースしそっくりな姿をした「X」を炙り出そうとする人々が続出する事態へと発展していた。
 スクープを信条とする週刊誌編集部に所属する笹憲太郎は、X疑惑のある柏木良子に接触し、やがて親しくなっていく。やがて彼女に恋心を抱いた笹は、彼女への愛と騙し続ける罪悪感とに板挟みとなるが…

地球外生物の「X」が、人間をトレースするまでは良いが、その人物と同じ容姿であるならば、その人の戸籍やプライベートはどうなるのか?まさか入れ替わりでは無いだろうが、そのあたりの説明が無く釈然としないが、予告で思ったようなサスペンススリラーを想像していたら、全く違い驚いた。もちろんその要素は強いが、人を信じて生きる事の大切さを説いた人間ドラマといった方が良いだろうか。中々に面白かったと思う。
 主人公の笹を演じる林遣都さんの、スクープをモノにしたい野心と、良子を愛する気持ちの狭間で葛藤する役柄を繊細に演じており、彼の行動にヤキモキしながらも応援したくなった。また、ヒロインの良子を演じる上野樹里さんの演技も素晴らしく、裏切られて尚、笹の真心を信じる寡黙な女性を凛として演じられていて良かった。

サスペンススリラーを期待すると少し肩透かしをくらうが、繊細な人間ドラマとしては楽しめる良作だと思いました。

それにしても良子のお母さん、夫を助ける為とはいえ、会見中に誰も知らない二人の過去を暴露してましたけど、大丈夫⁈って思いましたよ。それ、週刊誌に書かれるんじゃね?
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