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ノーウェア:漂流のjunのレビュー・感想・評価

ノーウェア:漂流(2023年製作の映画)
3.8
ちょっと気だるいお昼に何か映画でもと思って観始めたら冒頭5分で眠気も吹き飛ぶ展開。。。めちゃめちゃハラハラドキドキする極限サバイバル映画でした。

あらすじ→
食糧難に直面しているスペイン。
荒んだ国から脱出するため妊婦のミアは夫ニコと共にコンテナに隠れていたところ見つかってしまい、更にはニコと離れ離れに…。ミアの隠れているコンテナには同じように国外逃亡を企てる妊婦や子供がたくさんいました。港が近づいてきた頃銃を構えた政府の兵士による検問に引っかかり必死に身を隠すがミア以外の人達は見つかってしまい…。
なんとか兵士から逃げ切ったミアでしたが
船に積まれたコンテナが崩れ落ちミアはコンテナごと大海原に投げ出されてしまいます。ここからミアの孤独な長い長い漂流生活が始まります。



《以下ネタバレ含みます》
















身重の体でいつ沈むかもわからないコンテナに閉じ込められ少しづつ増す水位。その絶望と恐怖から一度は命を断とうとしますがお腹の赤ちゃんがそうさせません。コンテナの中の木箱の中に大量にあるパーカー、イヤホン、タッパー、ボトルに入った水、缶詰、テレビ。鞄にはドリル、サバイバルナイフ、ガムテープ、紙とペン…
まるで脱出ゲームさながら極限状態で思考を凝らし寒さを凌ぎ水の侵入を防ぐにはどうしたらいいか考えます。
しかしお産だけは待ったなし。陣痛が始まりついには破水まで…最悪の状況の中誰も助けてくれない1人きりでの出産。そして後産まで描くリアルさ。出産したことがある人間からするととんでもないことが目の前で繰り広げられていてもう絶句です。



無事赤ちゃんが産まれ、身が2つになり更に生き抜くには困難な状況が続きます。
寝ていないしろくに食べていなくても時間がくれば胸が張りちゃんと母乳が出る。女性に備わった母としての身体機能の凄さを思い知ります。

そして後半ちょっとグロいシーンが続き観覧注意⚠️直視無理でした。
胎盤食べるとアンチエイジング効果があるとはいえ、、、実際に食べてるのを見るのはキツイです😰やっとの思いでコンテナの外に出たのにあわてた拍子に太ももが…
それを手作りの針と糸で縫うとかもはや野生児レベル。普通に衛生面が気になってしかたなかったです。

イヤホンを繋げて作った網で魚を獲り生魚を食う母ミア。もう、冒頭で離れ離れになった夫を思い泣いていたミアはどこにもいません。
もし夫ニコがここにいてこれを見ていたら何を思うのかとちょっと気になってしまうぐらい逞しい成長ぶり。母は強しという言葉では片付けられません。

そのニコとの電話口での別れ。一度もノア(赤ちゃん)を抱きしめることも顔を見ることさえ叶わなかったニコを思うと涙が流れました。
最後は無事通りかかった漁船に助けられてよかったよかったでしたがミアはこの先もう少々の事ではヘコタレない人生を歩むんでしょうね。
だって
これ以上の困難なんてある!?笑

ちょっと衝撃的すぎる内容でしたが見て損はしない映画でした。
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