ハル

映画 マイホームヒーローのハルのレビュー・感想・評価

映画 マイホームヒーロー(2024年製作の映画)
3.5
ドラマ版スルーながら、原作の大ファンなので劇場鑑賞。
原作がまだ完結していないため、映画はどういう内容にしているのかな?と、序盤から集中。
半グレ男と付き合っていた娘の零花を守る目的で、彼氏を殺害してしまった鳥栖哲雄の孤独な戦い。

この作品は“普通の優しいお父さん”が、大好きなミステリー小説で得た知識を駆使して、奮闘するのが見どころ。
“家族を守るためとはいえ、人を殺していいのか?”この命題に葛藤を抱えつつ、全てを捨てる覚悟で戦うお父さん。

まず、鳥栖哲雄を演じた佐々木蔵之介は風貌からしてピッタリ。
「あ、多分こんな感じだ」そう思わせる作り込み方。
元々、背恰好や雰囲気が似ているのもあってキャスティング上手!
そして、それ以上に驚かされたのは鳥栖哲雄の奥さん、鳥栖歌仙を演じた木村多江。
もうこの人以外にいないんじゃないだろうか…そう、唸らせる出来栄え。
おっとりした話し方も、まさに歌仙さん。
零花(齋藤飛鳥)や恭一(高橋恭平)に関してはやや違うかな?と感じてしまうが、そうしたマイナス値を補って余りあるクオリティーを二人が発揮。
やはり、原作モノは配役大事!

ちなみに設定は同様だが、ストーリーはほぼオリジナル。
とはいえ、最強の殺し屋クボや組織の親玉シノなど、お馴染みの極悪人たちは健在。
内容的に原作とは乖離する部分もあるが、最後の展開は原作でもこう描くだろうなぁと想起させるものだった。
鳥栖哲雄なら…あの選択をするはず。

逆説的に原作を読んでいない、あるいはドラマを履修していない人には厳しいと思います。
映画ならではのオリジナルストーリーを“if”として楽しめる方には一見の価値あり(原作未読でハマらなかったら、ぜひ漫画を!めちゃくちゃ面白いです)
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