カッパロー

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のカッパローのレビュー・感想・評価

4.9
日常は侵され、壊れていく。けど関係ない、日々がこんなにも楽しくて、今を生きていけるのだから。

最高の映画体験。少なくとも、今日までにみた今年公開作品の中だとぶっちぎりベスト。素直に、死ぬほど面白かった。

飛来する巨大宇宙船。それは音を立てながら、ただ、そこに"在る"だけ。ファーストコンタクトから時は経ち、徐々に全ては日常になる。その中で青春を謳歌するちょいオタクJKたち。不穏な空気が充満し大人たちの手により刻一刻と終末が迫る中、それでも彼らの日々は変わらない。何かが、世界が、決定的に壊れていく、その途上にあって。

みずみずしい主人公たちの毎日が素晴らしかった。それだけで成立するほどに。ただ、そこに、確かな終末の焦げついた匂いが染み付いているのが、この作品の非凡なところだろう。明るく楽しげな彼らとは対照的な、物語の果てへの期待と不安に、スクリーンから片時も目を離すことができなかった。

好きなカットも、あげたらキリがない。おーらんの疾走感溢れる登校の最中、一瞬の浮遊にボカロ音が組み合わさったところ、大好き。友達との別れの悲しさを振り切るように明るく振る舞うおーらんも、大好き。世界じゃなくて私に目を向けてよと叫ぶキホも、大好き。

あの、ドラえもんでありDeath Noteだったパートがどう本編に関係していくのか、世界はどう終末を迎え、そこで彼女たちは何を思い考えるのか、楽しみで仕方がない。不安と期待をもって、5/24を首を長くして待ちたいと思います。

あ、あと声優としてのあのちゃんが最高でした。おーらんの声は、あのちゃん以外考えられない。
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