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ミシシッピー・バーニングのKeiのレビュー・感想・評価

ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)
3.8
黒人差別に反対する時代の流れが公民権運動となる前、反リンチ運動の愛唱歌として歌われていたのが、ビリー・ホリデイの"奇妙な果実:Strange Fruit"でした。

黒人女性シンガーのホリデイは、ポプラの木に吊るされた黒人を果実に例えたこの歌を、生涯歌い続けました。

ミシシッピ州を含むディープ・サウスと呼ばれるアメリカ南東部の5州では、黒人差別は特に激しかったと言われています。

1941年8月、ミシシッピ州の親戚の家に遊びに来ていた14歳の少年、エメット・ティルは白人の婦人に口笛を吹いたとしてリンチされ殺されました。
母親は棺を開いたまま葬儀を行ない、リンチの凄まじさを世界に訴えました。

ミシシッピバーニングは公民権法制定前の1964年、殺された黒人運動家を調査するためミシシッピ州ジュサップ郡へと赴いた2人のFBI捜査官と妨害しようとする保安官や住民、KKKとの激しい争いを、実話を元に描いています。

正義に燃える二人のFBI捜査官と差別主義者たちの構図は明快で、主人公のジーン・ハックマン演じるアンダーソンもとても魅力あるキャラクターです。

史実とかけ離れている部分も多く、公開当時は批判も多かった本作ですが、社会性とエンターテイメントを両立させた数少ない傑作だと思います。

グリーンブックなど好きならきっと観て間違いない、ミシシッピバーニングはとてもおすすめです!!
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