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Polar Nightのgcpのネタバレレビュー・内容・結末

Polar Night(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

もとから絵のファンだったとは言え、真琴のふつーの友達って感じのアキがイラに魅せられて目覚めていくのが、すごく好きなシーン。冒頭の絵画教室の少女たちが単に純粋無垢だったってわけじゃなくて、イラにひとを簡単に狂わせる妖しい魅力があるってことが一番腹落ちしたシーンで、監督自身が言っていたラスト前の奇跡にちかいシーンもすんなり受け入れられた。
レイコの、一番近くにいるために手段を選ばない、真琴の、わたしだけが救ってみせる、アキの、特別を塗り替えたい、みたいな執着心やエゴや独占欲といった人間の醜い欲望が煮えたぎるほど、イラの"只そう産まれてしまっただけ"な純粋な欲望が美しく映える滑稽さ。アルビノだとか不死鳥を捕まえようと躍起になる無様な人間をみているようだった。奇跡を体験しても終わらない執着と自身の消えることはない欲望に、母と同じ道を辿ることにしたイラ。もしかしたら、真琴に実家での合宿を提案されたときから、多少の覚悟もあったのかも、だなんて思うと、なにが光でなにが陰で、なにが黒でなにが白なんだかわかんなくなって、照らされたイラの絵と燃える真琴の絵が脳裏で交互に映し出され続けている。
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