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ブラックサンのSSDDのレビュー・感想・評価

ブラックサン(2023年製作の映画)
3.7
◼︎概要
1930年代、ある少女はマリア様を見たと人々から聖少女として着目を浴びる。
時を経て10年後、戦時に被害を受けた教会は、今や孤児などを受け入れ教育の場として使用されており、成長を遂げ女性は教員として従事することに。しかし、そこでは子供達が何かに怯え、女性には毎日のように怪奇現象を体験することとなる…。


◼︎概要(ネタバレなし)
オーソドックスなオカルトホラーと思いきや…期待値は低い方がいいですが隠れた良作の印象を受けました。

本作はスペイン産の修道士と子供のホラー 、Netflix産ホラーとなればいまひとつなものが多いが割としっかりとした構成で予想外の掘り出し物だった。

序盤から不穏な怪奇現象の見せ方がよく、1.5hと短めのためテンポよく進む。
色濃くなっていく怪異と、サスペンス感が予測と違う方向性で楽しめました。

海外の宗教的なホラーだと定番方向性が強いイメージでしたが、本作はなかなか予期できなくてツイストがきいてました。
キャストをまったく知らない作品って先入観少なめですよね…と言いたいけど人相で先入観受けますね。








◼︎感想(ネタバレあり)
・スピリチュアルホラーとタイムリープ
日食時に能力を発動させる主人公は、2回目で能力が向上。過去の出来事を幻視できるだけではなく、過去に干渉することができるというのは斬新でした。

過去の死んだ時に幽閉されたシスターは、死んだ時間軸でループし、囚われる怨霊となっている。
死ぬ前のシスターを解放することで過去改変がおき、施設内どこにでも動けるようになるという理屈は面白い。

過去の時間で施設内を自由に動けるようになったため、子供を殺めた人間に襲い掛かり復讐を遂げる。殺された人間は現在も同じ死因で死ぬ描写はなかなか斬新でした。

怨霊は時間がループ+過去を幻視してその止まった時を動かすというスピリチュアルとタイムリープが混ざった演出で全て持っていかれました。

・ツイスト
シスターが首吊りをしたことは椅子が何度も倒れるので予期できていましたが、子供達はなぜ霊は女の子だと言ってるのか最終章で明かされるまで予測できない作りなのは面白かった。
明かされる過去の重さもひどいが、正直全く関係ない女の子が殺されるのが最も胸糞でした。

・総評
主人公の顔芸で終始するホラーではあるものの、斬新な怨霊のタイムループと過去改変という要素がSF的要素があり面白い。
決して誰か救われてるというより、解決したことでこれ以上犠牲は出ないんだろうがハッピーとも言えない胸糞の悪さ…など総じて楽しめました。

現代に老婆となって現存する主人公の姿から時代を経ての続編か、過去の所業を見せる続編が作られそうですが、まぁ怪しいところです。
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