きらきら武士

悪魔がはらわたでいけにえで私のきらきら武士のレビュー・感想・評価

3.8
グチャグチャで禍々しいポスターが目を引くけど、内容的にはむしろ意味不明でアホっぽい映画タイトルの方がそのまんま作品世界を表しているような気がする、そんなごった煮、ホラーコメディ。あ、でもポスター見て「無理かな〜」と思ったホラー苦手な人は大体正解だから、無理せず退場することをすすめる。

内容的には、監督が好きなものを全部乗っけててんこ盛りにした二郎系ホラーとでもいうか。いや、ギャグでしょ、それ?みたいな所沢山。何度も吹き出してしまった。

しかし、B級スプラッターホラーかと思えば不条理コメディ、純愛ストーリー始まった?て思ったら農業だし、監禁シチュはソウ、悪魔達はチェーンソーマン、ちゃぶ台ホームコメディはサザエさん、ドラえもん、はたまたアイアムアヒーローとか2001年宇宙の旅?などなど、実にカオスで予測不可能。なお、収拾はついておりませんので悪しからず。台本読んだ俳優陣も口を揃えて「監督意味がわかりません」と言ったという、アート系=意味不明系。でも、不思議な後味がある「お召し上がりになりたい方だけどうぞ」系。

ところで今回、人生で初めて舞台挨拶つき上映というものに参加させてもらった。楽しい体験だった。
ただ、映画上映の後に舞台挨拶を待つまでの間、息を殺すような静けさが劇場に満ち満ちていて異様だった。ここは地獄か。
一瞬帰ろうかな?と思ったぐらい。異様な静寂。怖かった。

そんな永遠に続くとも思われた静寂が破れ、会が始まるとニコニコと人懐こい笑みをたたえた宇賀那監督と俳優の詩歩さん(ダブルチェーンソー、お美しい)、野村啓介さん(リーゼント亀甲縛り、かっこいい)の御三方が登場。おお、すごい。映画と全然違う(笑)
宇賀那監督の意外にもフランクな語り口と軽妙な面白トーク(失礼)に笑いを誘われて、先程とは打って変わって劇場は和やかで温かな雰囲気に包まれたのだった。それにしても、さっきスクリーンで観た血飛沫ぶっしゃあああ、青汁ぅげろろろろ、「ぎゃっ、ぎゃっ」悪魔達をこの人達が作ったのかと思うとちょっとトゥンク…ときめきに似た気持ちすら湧いてくる。素敵。とてもそんなイかれた人達には見えない(重ね重ね失礼)。
撮影現場でのエピソードあれこれを楽しく聞いて舞台挨拶は終了。

いや〜楽しかった。
思い出に点数なんかつけたりしないが、もしもフィルマークスよろしく5点満点でつけるならば5点だ。しかし一応、映画の感想記録に変換するとして、自分の中で客観評価加えて3.8点と変換しておきたい。B級ホラーとしては満点に近いのでは。

楽しかったなぁ。また好きそうな映画の舞台挨拶つき上映があったら行ってみたい。ホント良い時代になりましたよ。

#2024 #18
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