肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

イン・マイ・マザーズ・スキンの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

2.9
ギレルモ・デル・トロの影響を隠しきれない大戦中日本軍占領下のフィリピン良家で食糧難に父奔走離脱、母重病と一気に深刻化する姉弟の受難
そこに"蝉の精"が特効薬を持ちかけるダークファンタジー風"ママ変容"ホラー

フィリピン映画且つホラーなんてなかなかお目にかかれるもんじゃないし、新鮮で韓国映画のように"親日ではない"感じがまた良かったですよ。
序文で書いたようになぜか「ギレルモ・デル・トロ」監督臭がするホラーというよりも「暗黒童話」というべき、少女が戦時下の目を背けたい切迫悲惨に「悪魔的モンスター」に取り引きしてしまうという『パンズ・ラビリンス』の類似性もそこはかと…
それに母を生かすための"ブツ"が寄生系っぽいのもどこかデル・トロ『クロノス』を彷彿とする(浮き出てモゾモゾ感とか!)のもただの偶然とは言い難いはず…(笑)

ただ、童話部分の「アリス・イン・ワンダーランド」な"アドベンチャー"部分がおざなりで、ほとんど屋敷とその周辺で完結してしまうのが、ビジュアルとしても展開としても"もっと!"のヤキモキ感がありますね…
幼めの姉弟が瀕死だった母に"ブツ"を施しちゃって手を付けられなくなる「クリーチャームービー」に舵を取る感じは、どちらかといえばAMAZONオリジナルで今更リメイク(そういえばまだ未見)した『グッドナイト・マミー』に近いかも知れないですけどね。
最終的に"地獄"のような展開が待っています。
どちらかというと、日本軍・モンスターというよりその戦時極限状況下で家族のため、自分のために素直な"人の醜さ"を表したものが強いですが…

この映画で"ビジュアル"が足りない、ギレルモ・デル・トロ"フォロー"があるとすれば、一番に欠けているところはやっぱり"非日常存在を表現するセンス"なんですよ。
もっと的確に言うなら"ライティングと映像加工"。
豹変する母親の前に一番の"異質"な存在は「蝉の精」(フィリピン有名伝承かも?)なんですけど(あらすじで"人食い妖精"言われてるw)、配役の人がフィリピンで有名女優か知らないけど、ただハリボテっぽいキラキラした蝉の羽根が幾重も重なったようなヘルメット?を被ってるだけって、日常的なイタい"コスプレおばさん"に見えてしまう点でアチャー感が絶大に膨れ上がってしまうんですよね…
小林幸子さんでももっと非現実感が出るっていう…

フィリピン特有の鬱蒼とした密林の雰囲気は出ていただけに、そこは制作側が映像としての対比や没入感を凝らして提供するところでしたね…😉