味噌のカツオ

ゴールド・ボーイの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
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事業家の婿養子が崖から義父母を突き落とす。しかし たまたまその様子を動画撮影していた中学生の少年少女が、それをネタにオトナを脅迫する…という設定。
ただし、これは単なる導入部にしかすぎず。そこから芋づる式にさらなる事件がつながっていく展開。

そのバックには、親子の関係。夫婦関係。恋愛感情。そしてお金も。
いろんな要素が動機につながったかと思えば、信頼していたものが無情にも裏切られたりして。
まぁ見ていて振り回される感じもありますが、その感覚が観客としてはちょっと楽しくも感じられてね。

物語としては、東と朝陽たちが最後に対峙する展開について「そこまで犠牲にするか」という意外性もあったし。
母親とのラストの展開もヒリヒリさせられて。そのうえで刑事と向かい合うラストシーンもキレの良い見せ方だったですね。

日本映画って妙なところで変なサービス心なのか よりわかりやすくなのか、余計なことしがちなんだけど。
そういう安っぽさが極力排除されていて。ちゃんと映画を味わえる方であれば、しっかりと楽しめる良作。

そんなに注目はされていなさそうだけど、こういう作品は口コミで動員増えていってほしいなと。そんな風に思います。


さて、作品に登場する大人たちが 皆離婚しては身近な存在だったり、同世代の子どもがいながら再婚したり。一見するとなんだな~と思えてしまうけど。
沖縄の小さなコミュニティの中では、そういう人間関係もありそうだなと思ったり。

地元の大手企業への忖度から、正当な捜査をしない警察の体質…それがリアルを反映しているとは言いませんが。
米軍基地に反対の声も響く中で、米軍を相手に生活が成り立っている実態はありますし。ちょっとしたことでも地元紙がうるさいというのも同様で。

そうした点に沖縄を舞台にした意味やテイストを感じたり。
単純に夏休みシーズンの沖縄の暑さも映像に反映されていたように思いました。

エンドロール後のアレは、GB2なのか GB?なのか…
味噌のカツオ

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