フィルムばさみ

ゴールド・ボーイのフィルムばさみのレビュー・感想・評価

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
4.5
デスノート、平成ガメラシリーズを手がけていた金子修介監督の最新作。

ここ最近はSNSで金子監督の呟きなどを拝見していて新作の情報を得ていたが、たまたま友人が作品の宣伝にも携わっていると知り、今年注目作品に一気に格上げ。

予告編とあらすじを見てから臨んだが、序盤のサイコパス満載の岡田将生演じる東昇と3人の中学生の危なかったしいやり取りで肝を冷やしながら見入ってしまった。

見どころとしては中盤から一気に流れが変わり東昇と羽村仁成演じる朝陽くんの腹の探り合いへと昇華していくところ。

それと合わせて朝陽に惹かれる星乃あんな演じる上間夏月の幼さと大人さが併存する純粋さの危うさと美しさに引き込まれてしまった。

ラストの結末は描かなくてもわかるでしょうという締めくくりも見終えてから、終わった、、、と脱力感に包まれた。

安定感のある金子修介監督ワールドだったが、岡田将生の新しい一面がこれでもかと浴びることができ、安定感のあるスタイルで星乃あんな、羽村仁成といった映画界の新星の魅力を最大限に引き出していたと思う。

2024年の日本アカデミー賞にノミネートしてほしい一作。