NYで暮らす母ラファエラと双子の息子ポールとティト。
不法滞在者である彼らの生活は厳しい。
ある日、ポールとティトは、語学学校でクリスティンという美女に出会う。
一方ラファエラは、ウェイトレスとして働く店の客の口車に乗り、アパートを使ってブリトーのデリバリー店を開業する。
親子それぞれに恋に落ち、きつい日常に光が射したかのように思われたが・・・。
戦争難民とは違う不法滞在者に対する考え方は、観る側もそれぞれ違うでしょうから、本作に対する印象も当然両極に分かれるのでしょう。
多様性に対する不寛容なんて表現を聞きますが、まず不法滞在者という前提がある以上、一概にその表現が当てはまるとは言えないような気もします。
本作に登場する親子は善良だから、憐憫を掛ける思いが出ますけど、善良かそうでないかは傍では判断できないから法があるわけで、とても難しいところ。
ゲリラ的に撮影したのかモブな人たちの視線や、演出的には安いMVみたいなところが気になり、視点がちょっと偏りすぎなきらいもありましたが、ストーリーとしては、懸命に生きている人たちが翻弄され、それでもまた前を向く姿が描かれているので、前述したようなデリケートな問題に対するスタンスは抜きにして、上手く構成されている作品という印象。
パンフ販売なし。
