しちれゆ

風よ あらしよ 劇場版のしちれゆのレビュー・感想・評価

風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)
3.6
NHK BSプレミアムのドラマを劇場版に編集したもの。先ずは令和の今 伊藤野枝と大杉栄に関心を持つ人っているのだろうか?甘粕事件もほぼ忘れられているのでは?と思うが 2023年が2人の没後100年に当たるので作られたのでしょう。そして『光る君へ』の吉高由里子主演ゆえ劇場版公開となったのかな?
(かく言う私も久しぶりにこの3人を思い出した。)

大杉栄(永山瑛太)は四角関係にあった野枝に「自由恋愛は女性への搾取だった」と謝るのだが、どっこい野枝だって婚家を出奔し東京の女学校教師(稲垣吾郎)と結婚したものの夫と子供を捨てて大杉に走り5人も子を産んだのだから大いに自由恋愛を謳歌したのではないだろうか。わたし的には金もないのに節操なく子を作るな、と思いますね( ‘ᾥ’ )コラッ
計7人の子を産み婦人解放運動の先鋒として活躍した野枝、殺害時28歳。死体は古井戸に投げ捨てられたという。1923年9月1日に関東大震災が起きてから僅か半月、同月16日のことだった。井戸に毒を投げ込む(流言)とか死体を遺棄するとかが流行った当時の恐ろしい世相ゆえの顛末だったと思う。無念と思う暇(いとま)もなく命を絶たれた野枝。「吹けよあれよ風よ嵐よ」と高らかに謳ったそのままの生涯だった。
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