シネマJACKすぎうら

パーマネント・バケーションのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

3.0
冒頭にみせるニューヨークの人波。スローモーションの映像と、ズレた足音が妙に印象的。そして、多感な16歳の主人公。彼の、詩を朗読するようなナレーションが序盤に絡む。(同棲中?)の彼女との何気なく抽象的な言葉のやり取り。そして街を徘徊。そこでは、実際の風景と彼の頭の中の妄想が重ね合わされるのかとも取れる情景が展開する。

特に物語性を感じられない為か、長回しのカットが眠気を誘う(笑)。もしかして、アンゲロプロス系か?などという自問自答が始まると、余計に眠気が(笑)。商業映画として制作されたモノではないので、仕方ないのかも。でも正直、この作品から特別な才能を見出せられるかと問われたら、自分には無理かな(笑)。映像と音使いのインパクトはあるが。そういえば、エンドロールの映像も印象的。

逆に興味深いのは、そんなジム・ジャームッシュが、後に面白い作品の数々を世に出している点。新進の才能を発掘しているプロフェッショナル達は、一体どのような視点で”新しい”作品を観ていくのだろう。
そういう意味では興味の尽きない作品なのかも(笑)。

※評点は、後に顕在化したジム・ジャームッシュの才能に敬意を表して。