ティーヨッド　死の囁きのKoshiiのネタバレレビュー・内容・結末

良質ホラー。

呪術版コンスタンティン

父親と母親の堅さ。これが一般的な親の造形なのか。強すぎるお兄ちゃんとお姉ちゃんが家族を憑依から守ろうするストーリー。

熱帯感。今にも雨が降りそうな湿度の高さがスクリーンいっぱいから伝わってくる。その気候がホラーととても相性が良い。
濡れた閉塞感の中、見えない「原因」と対峙していく。

音での怖がらせ方といい、緩急の付け方も非常に良い。
見えない原因を探る謎解きパート、息を呑むようなアクションパート、それらなぞるように引き返していくパート。丁寧な構成がB級に留まらない良質ホラーである所以。

全体的に一つの場所（農場とその家屋）でふりかかる惨劇を描いているにも関わらず、ちゃんとスピード感もあり、世界観もしっかりと作り込まれている。王道だけれど、決してチープではない。韓国映画、コクソンのような不気味を孕んだ呪咀が、まるでセイレーンを模したかのように人を気絶させていくというのも分かりやすい。

丁寧な作品だが、もっと怖くてよかったかな。