三畳

映画 きかんしゃトーマス 大冒険!ルックアウトマウンテンとひみつのトンネルの三畳のレビュー・感想・評価

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このおもしろくなさは何由来なのかぜひディスカッションしたいなあ。それなりに真剣に見たよ。

キャラデザが従来のCGフェイスからスポンジボブみたいなフラットアニメーションに変わったことはなんとか乗り越え慣れつつあるものの、
やっぱりジャンプして線路を移れたり回転できたり足が伸びて前にいる車両を追い越せてしまうのは、これまでの世界のルールそのものが変わって制約が生んでいた面白さが全部取っ払われてるので、機関車のアイデンティティがほぼなくなっちゃってる。

CG時代は機関車の質感と貫禄があり、スピードを出したり脱線したり衝突すると一大事だぞというのが絵でわかった。
でもリニューアル後の機関車の走る音はプルバックトミカみたいな軽さだし背景に奥行もないし、蒸気はぽふぽふっとしてるし汽笛もホイッスルみたい。
でもまあそれは意図して機敏に変更されちゃったので慣れるしかない。

前シリーズから国連と制作していてSDGsを掲げているため男女比がいきなり半々になったことや、自閉症らしいキャラクターが登場し多様性を描いてるのも、大人からすると露骨だなあと思うけど子供にとって悪いということはないのでまあいいです。

翻訳台詞すぎて、みんながわーっと喋っているのにストーリーがわかりにくい。何が目的なのか入ってこなくてキッズはついていけてるのかな?と心配になったけど、自分は少し居眠りしちゃったのでそこの批判もやめておきます。


映画のクライマックスと教訓はどこだったんだろう?

①鉱山とトンネルが繋がっていたこと?
→鉱山とトンネルの背景が大差ないので絵変わりしない、繋がっているだろうなとしか思わない。鉱山とトンネルが繋がっていた!という点をカタルシスにすればいいのに、事前に仮説を立てていたので「やっぱりその通りだったね」で終わってる

②怖い入り口を超えた先の山奥には迷路が広がっていること?
→きれいなクリスタルに一瞬わくわくするものの「あれはただのクリスタルだから」と一蹴されてしまい機関車たちとの温度差を感じる

③鉱山モンスターなんていなかったこと?
→広告時点(ゲスト声優)でめっちゃ出オチしている

④メンバーの成長や心境の変化?
→特になかった。整備2人組以外の、個性を生かした活躍が少ない。
ブルーノ何か覚醒するのかと思ったけど、もしかしなくても障がいを示唆しているので、ありのままを肯定されている
(かつてヒールがちだったディーゼルもなんか小物キャラに落ち着いている)
主人公トーマスの目立った功績もない。

⑤鉄くずをリサイクルした柱が山を支えること?
→じゃあそこまで描いてほしいところ。

特に、せっかく帰り道に迷わないように分岐に目印をつけて進むというアイデアを3回も描いたならば、どうせなら帰りに遭難しかけるけど目印をつけておいたことによって迷わなくてよかったね!というくだりを入れなきゃダメじゃないか。なくてもすんなり帰れてるじゃないか。笑
(見落としてたらすみません)
目印の工具が重要なモチーフっぽく特典の紙帽子にデザインされていたので思い出した。

あと新シリーズになって間もない中でテレビOP曲にやっと馴染んできたとこなのに、それもワンコーラスしか聞けず、いっしょに歌ってね!と促される映画オリジナル曲なんて知らんよ!リピート前提…?


子どもは初めての映画館で45分くらいはおとなしく見ていたけど、あからさまに飽きて帰りたいと言い出した。一応最後まで見て感想を聞くと面白かったと言ってたけど、トーマスはなんていうチーム名だっけ?とか鉱山モンスターってなんだった?とか聞いてもなんも覚えてないwそうだよなあ。


上映前の予告が10分くらいあってインサイドヘッドとかクレしんが流れる中、アンパンマンが来た瞬間「あっ、あんぱんまん…!」とあちこちから幼児のちぃちゃな歓声で会場が沸いたのがクライマックスだったかも。
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