シンゴジヲ

侍タイムスリッパーのシンゴジヲのネタバレレビュー・内容・結末

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

侍タイムスリッパー

月曜日1255からの第二回上映回
TOHOシネマズ日比谷
初めて宝塚劇場地下のスクリーン12に行く。
劇場内は傾斜があまり無く前の三人組が
上映前にベラベラ喋っていてるわ、
ウェンディーズハンバーガーを持ち込んで
臭いしで、不安を感じる。まあ問題なく観れたのだが。

さて映画だが、前宣伝では、
「低予算」「カメラを止めるな!」的なヤツ。
「侍が映画撮影所にタイムスリップ」ぐらいの
情報しか入っていなかった。ワタシは
ゴジラファンではあるが、映画ファンでは
無いため、出演者も誰も知らない人ばかり。

制作「未来映画社」も知らん。
でも、「カメ止め」の斬新さは好きだったので
少しだけ期待しつつ観ることにした。
結論から言うと1800円の価値はあったと思った。

ものがたり(少しネタバレ)
会津藩士の高坂は、京都で長州藩の武士を闇討ちしようと待ち伏せするところから始まる。タイムスリップモノにありがちな、雷に打たれて、現代(?)に落ちてくる。

しかし、そこはテレビ時代劇を撮影中の太秦撮影所。武士と現代の「時代ギャップ」に苦しむコメディな前半。なぜか周りの人々は、ちょんまげ姿の高坂を「元役者で記憶喪失の人」と思いこむ親切な人だらけ。

高坂は流れで「時代劇の切られ役」俳優として、段々「現代」を受け入れ、馴染んでいく。劇場内は笑い声もあり、しんみりする場面もある。しかし「ある人物」の登場により、後半はシリアスなクライマックスへと進んでく! 

随分とストーリーを書いてるなと感じるだろうが、実はここまでが最初の60分で、あと72分もあるのだ。特に最後の10分は息が詰まる感じ。これに1600円の価値がある。

この作品を観て思ったこと
①「カメ止め」の素人に近い俳優陣ではなく、無名でも長く時代劇をやって来られた俳優陣の確かな演技力や殺陣が、この作品を支えている。

②出演者を誰も知らないからこそ、観客も高坂と一緒にタイムスリップして「誰この人たち?」ってなれる。

③前半戦は、テレビを観て「絵が動いておる?!」なんて、タイムトラベラーが言いそうだなと思うことを捻らず、素直に描いているが、役者の力か?、演出の力か、少しづつこちらの予測を超えてきて、途中から物語に没入してしまうのがこの映画の魔力である。

④撮影所の裏側を描くことで「蒲田行進曲」的でもあり、バックトゥザフューチャーでもある。

サブスク落ちを待っても良いが、意外と音が
キモの作品なので映画館での鑑賞をお勧めします。
シンゴジヲ

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