きねぼっち

トラペジウムのきねぼっちのネタバレレビュー・内容・結末

トラペジウム(2024年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

超露悪的なアイドル批判映画!
本作のアイドル活動ドロドロ!!
ぜんぜんキラキラしてなくてズコー!!!

しかも、本作がやり玉に挙げているのは、ギョーカイの搾取構造ではなく、なりふり構わずアイドルになりたいという人物の人間性。
つまりアイドル自身であり、原作者がアイドルということらしいので、自己批判なのかな。まー同僚批判かもしれんが・・・

その点では「生きててごめんなさい」のような懺悔映画ともいえるかもしれない。
欠陥のある主人公がやらかして罰を受けるストーリーのやつ。

にしては、本作はイヤな方向にリアルなキャラ設定と、ウソっぽいサクセスストーリーが嚙み合っておらず、キラキラしたアニメーションとも齟齬をきたしていて、なにがやりたいのかわからんよね。
予告編で考えてたのとは結構違った!

まず、主人公がありえんくらいイヤな奴でサイアクだったかな。
結局、アイドル活動は瓦解するわけで、そのための前フリみたいなもんだとはわかるけど、胸糞タイムが長すぎるんよ!

それゆえ、主人公に与えられる罰が妙に軽く感じられる。
さらに、主人公がいままでの自己中を反省すると、仲間が集まってきて、アイドル活動は有意義だった、みたいな励まししてくれて、ラストは主人公はきちんとアイドルになれるという、ご都合主義でますます重みが消失。

いやいや・・・主人公がそこまでヨシヨシされんとダメなんか?
反省したから、これまでのやらかしは全部チャラ! でいいのだろうか・・・普通に生きてたら取り返しのつかないことって出てくると思うけど、そういうリアルさはいらないんだ?

またひっかかるのが周囲の人間が主人公の言いなりだったり、非常に好意的だったりして、正面から反抗してくる奴がいないこと。
日常系アニメのみんなすごく仲がいいっていうのとも違ってて、なんつーか、わき役は主人公の召使、みたいな偏った世界観が何の疑問もなく存在しててただただ呆れ。
そしてラスト、サクセスした主人公の描写がテンプレでちょっと失笑。

なにより、東西南北(仮)っていうユニット名なんなん?
主人公ひそかにマージャン好きなんか?

にしても、主人公にはお蝶夫人の名言をささげたい!
「いつも自我が表面に出る者は頂点には登り切れない」
よくって? オホホホーホ!!!
きねぼっち

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