きゃとうぉ

トラペジウムのきゃとうぉのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.3
原作未読。
少しだけ入り込めない場面があったけど、面白かった。

冒頭20分くらい、キャラの感情描写なしに漫画みたいな展開が続いて置いてかれた。人数集まったあたりから段々とのめり込んでいった。最初のオープニングも雰囲気が少し映画全体と不一致だったかも。映像単体としてはすごく好みだったけど。

展開は新鮮で面白かった。ネタバレになるから言えないけどところどころのなまなましい描写が良い。

まずキャラが可愛い。みんな作画がいい。声優さんが好きなのもあってクルミが一番好きかも。そして4人の群像劇と言っても、ところどころちゃんと引き算がされている。普通に1人いないときもあるし、よくあるやつならみんなで一言ずつセリフを割きそうなシーンも1人だけ喋らないで含みを持たせる、みたいなことが多かった。そしてそれがしっかり性格や展開に合っている。無理にキャラを使おうとしない良い演出。

各々一人一人の役割を全うして、みんなそれぞれ自分の軸を持って進んでいるのがエモかった。主人公の強引さが感染したみたいに。カメラマンの男の子が特に好き。セリフ少なめなのにすごく印象に残っている。かっこいい。

天気や画面色による記号的な感情描写も、わかりやすさにつながっていた。あと劇伴がすごくよかった。

途中の3D2D混ざるところが少しノイズだった。2Dと交互に映されるとどうしてもどちらかの形式に優劣をつけてしまい、頭の中で補完できない。せめて統一して欲しかった。しかたないのだろうけど。

なりたいじぶんと、そとからみたじぶん。
なっていくじぶん。
最後の方見ていて胸が痛かった。若さを亡くしてしまった気がして。俺も頑張りたいな。

感情が動くいい映画でした。