リコ

スカーレットのリコのレビュー・感想・評価

スカーレット(2022年製作の映画)
3.4
ヒストリカ映画祭にて鑑賞。
この映画祭は、歴史ものの映画にフォーカスしている特色があるが、こちらの作品も「古い物がちゃんと古く見える」という点で、ラインナップにふさわしい映画だと思った。

前半はヒロインの父が戦場から帰還するところから始まるが、いかにも前時代的なヨーロッパの農村の風景もさることながら、父親の衣服、くたびれて所々ツギハギのあるシャツやハンチング帽に目を奪われて、一気に20世紀初めの世界に引き込まれた。演じる俳優さんもすごい存在感、重量感。
ヒロインのジュリエット・ジュアンがとても神秘的な美しさのある女優さんで、よくぞ発掘してきたなと思う。それだけに、しりすぼみな結末が残念だった。農家の女主人(ノエミ・ルボフスキー貫禄)やロマの母娘など、印象的な女性たちが描かれるので、そこはもっと現代的にフェミニズムによった作りにしても良かったのにな。
ルイ・ガレルは完全にゲスト枠。
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