地球外から飛来したカニ型異星人が、コカインの作用により凶暴化してしまう。「怒ったら負け映画 by 中野ダンキチ」に属している、超低予算インディーズ作品。ネット上に情報が流れていないレア作品であり、日本では上映会が2回開催されている。
結論から述べると、"予想以上にちゃんとした作品"という印象。プラスチック製のカニを大量に投入して、試行錯誤を重ねていることがよく分かる。画面内に2人以上の人物が入ると、途端にカメラの焦点が合わなくなるところにも可愛げがある。
ジョージ・A・ロメロに似た風貌の老年刑事と甲殻類オタクのゴス系女性が凸凹コンビとなり、変死事件の真相を追求。コカイン中毒に陥ったカニが、あらゆる場所の"白い粉"に反応していくシークエンスが見応え満点。
ラストでは、「コカイン、絶対ダメ」のメッセージ性を打ち出しつつ、膝カックンのオチがつく。変なキャラが続々と登場して、変なことが次々と巻き起こるため、常時口角を上げた状態で鑑賞することができる。甲殻だけに。おあとがよろしいようで。