2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。『GUNDA』以来4年ぶりの新作で、製作にはA24が関わっている。『¡Vivan las Antipodas!』(2011)『Aquarela』(2018)に連なる三部作の終章。建築家ミケーレ・デ・ルッキを導き手として、自然と建築についての瞑想的なエッセイを奏でるように語っていく。一応の主軸となる物語(?)は、ルッキが作業員とともに自宅の裏庭に広い円周を描き、その上に石を並べていき、本人の言う"魔法陣"を完成させるという一連の作業であり、その合間に建築材料に関する様々な映像が挟み込まれる。倒壊したコンクリの建物、今でも残る数千年前の石造りの遺跡、採石場での採掘風景(爆破のスローモーション)、石の上に石を置くアート、バールベックの巨石などである。あまりにも『動物誌、植物誌、鉱物誌』すぎるなぁと思ってたら、採石場で石が山積みになってるという全く同じシーンが登場して爆笑した。テーマは"数千年美しく生き延びる建物の建て方を知っている人類が、なぜ40年も保たない醜い建物を建てるのだろうか?"であるが、それは建築家であるルッキにも分からない。とにかくコンクリは自然界のものじゃないからそこには何も育たないし、死んだらそれきりだと全否定で、これから人口過密社会を形成するには"新しい美の概念が必要だ"として締めくくる。のはいいんだけど、どうにも頭でっかちというか、もう既にコンクリを使うことが"新しい美の概念"になってるからこうなってるのでは…?と思うなど。DVDだのVODだのは残らない、フィルムこそ嗜好だ…とかと一緒でしょ(ジョナサン・ノシターのドヤ顔思い出して胃が痛くなってきた…)。んでここに、アダム・ドライバーがメガロン持って乱入してきて、新しい都市を作るんでしょ?違うか。