Koshii

においが眠るまでのKoshiiのネタバレレビュー・内容・結末

においが眠るまで(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

kero clock可愛い目覚まし時計ね。

においに敏感で匂いが好きな少女。
コーヒーを届けに全国のミニシアターを巡っていた父親のノート。

親子で人類が苦手。
においってね、記憶よりも先に消えていく。
御成座。
映画館との一体感が良い。
陰毛が縮れているのは、フェロモンを閉じ込める為。スープのちぢれ麺と同じですね。

においのための一人旅。
ここだけにしかない音がする。においもね。
映画を観ること、全て含んで思い出になる。

無くなるものはあっても、消えるものはない。そこにあったという事実は消えない。

お父さん(まつひこさん)は、この小屋でみる映画が好きだった。

ひのき。街でのアナウンス。父への後悔のようなもの。
やり残したことがあるから、そこに影を探してしまう。
足りなかったのは、ひのきの匂い。
これは映画を作る物語。
父親と見に行った映画の記憶。

泣いてる?まだ始まってないよ。
「始まってる。」

主題歌「夕日は昇る」

余談
僕も始まってたんだ。
映画館を巡ることも、巡り始めたことも。
誰と行った?どこで観た?その観たいと思った動機も全部覚えてる。覚えてるから。

本当いろんな思い出、感覚、感情がめくるめくんだよ、暗闇だからそっと。
それを逃さないように、匂いと同じ、真空パックして保存するために、僕は必死にノートに記す。

においが眠るまで。
Koshii

Koshii