キャッスルグレンギャリ

心の旅路のキャッスルグレンギャリのレビュー・感想・評価

心の旅路(1942年製作の映画)
4.0
U-NEXTで鑑賞。本配信サービスで監督マーヴィン・ルロイ、グリア・ガースン主演の作品立て続けに3作づつ観た。ルロイ作品がキューリー夫人、哀愁、本作。ガースン作品がキューリー夫人、ミニヴァー夫人、本作。4作とも1940年代はじめ、ともに油が乗り切っていた時期の作品かと思う。グリア・ガースンは40歳になったばかり、どの作品でも美しいが3作では異なるタイプの女性を見事に演じ分けている。
対するロナルド・コールマン。コールマン髭は彼にしか似合わない。渋くかっこいい。記憶喪失をわずらった視線の焦点が定まらない男から、人格者で切れ者のビジネスマン、政治家をこれまた見事に演じ分けている。

チャップリンの「街の灯」の男女が入れ替わった結末かと予想しながら見ていくと、中盤ポーラが名前を変えて現れる、この登場シーンがちょっとミステリータッチでドキッとした。
ラストシーン「ポーラ」、「ダーリン」の短い台詞が本作品を名作にならしめたと思う。子ども、孫の世代にも受け継がれ、観続けられてほしいものだ。