つう

劇場用再編集版 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOPのつうのレビュー・感想・評価

3.3
『トラペジウム製作陣は、同日公開のこの作品を必ず鑑賞するように』

YOUTUBEで全4話で配信されたナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーの99年世代3強のクラシック三冠での戦いを描いた物語。

配信でも鑑賞済みだったが劇場で上映するということで鑑賞。

シリーズはスポ根とコメディのミックスが上手い作品ではあるが今作は全4話と短いのもあってかシリアスな作り。

今回は実質、王道主人公のトップロ。孤高の存在のアヤベの2人の物語。オペラオーが覇王たるチカラを発揮していくのは、クラシック三冠後なので。

まずは皐月賞から入り、三人の因縁を印象付け。それぞれの戦う意味を示していく。

その中での葛藤からの日本ダービー。そして、最後には菊花賞と駆け抜けていく展開。

これが王道のトップロの如く、キッチリと三幕構成に上手くハマっていて、教科書のようになっている。トラペジウムの製作陣は、上映時間がほぼ同じのこの作品を鑑賞してキャラクターの感情曲線の描き方を学ぶように。

一見、少年漫画のようなスポコンのようで、その戦う理由は凄くウマ娘的な女の子的な理由であるという王道な展開ながらのオリジナリティの出し方が上手い。史実をベースとしながらも史実の結果を知っていても熱くさせられる展開は流石のウマ娘といったところ。その女の子的な理由も守られるヒロインではなく強さのある女性像という今のトレンドにもマッチしている。

音楽の使い方が上手い作品なので劇場の音響で聞けると言う事で、そこの部分ではブーストがかかっていた。ここで来てくれという所で音楽が鳴る。戦い前の静けさの場面では無音になる。この緩急の付け方は配信で見ていたよりも、より効果的に感じられた。

逆に気になった部分もあった。それは撮影と仕上げだ。

作画面については配信作品といえば他のTVシリーズなどの作品と並べてもハイクオリティであるのは間違いない。だが大きいスクリーンで見ると撮影、仕上げの部分が劇場版クオリティとしては物足りなさを感じた。もちろん劇場でかける前提ではないのだから仕方ないという部分もあるが上映前、後に今月末公開されるウマ娘の予告が流れるのだが…そちらは予告の段階でも撮影仕上げがバッチリ決まってるのが分かる。やはり今のトレンドは撮影仕上げでクオリティをリッチにするのが大事だと言うのを再認識できたので今月末の映画に備えて劇場で鑑賞するのをオススメします!
つう

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